Maker Faire 2017 出展報告

 2017年8月5,6日に東京ビッグサイトで開かれた、Maker Faire 2017での展示の様子を報告いたします。

f:id:inrabbit:20170811224717j:plain

展示物の紹介 

 今回の展示の全景はこちらです。タイトルは、「クレーン運転士免許を取ろう!~これが本当のクレーンゲーム~」となっており、精密な模型のクレーンを操縦して、クレーン運転免許を模擬したゲームを体験してもらうというものです。

f:id:inrabbit:20170811225719j:plain

 そのために準備したのは、上の写真にあります模擬コースです。単に光る棒が立っているだけに見えますが、その裏を見ると・・・

f:id:inrabbit:20170811225949j:plain

 このように配線がびっしりです。実は、プラスチックの棒の1本1本が接触センサーとなっていまして、クレーン模型で運ぶ荷物が揺れて棒に振れてしまうと、照明が消え、隣のパソコンにヒットカウントが伝送される仕組みになっています。これを実現するために、1本1本にフィリップフロップ回路が取り付けられており、出力がGPIOに繋がっています。

 実はこの仕組み、会場にて開場直前に結合試験となってしまったのですが、一部の接触センサや接続がうまくいかず、正確な点数カウントはできませんでした。完全動作版は次回への課題となります。でもこれ、担当者一人が直前の1週間ちょいで急ごしらえしたものなんです。配線の1本1本から力強さが感じられますね!(笑

f:id:inrabbit:20170811231219j:plain

 システムの全景はこちらです。

 クレーンゲームのためにもう1つ準備したハードウェアは、前回のブログでも紹介しました、疑似操作卓(画面手前のジョイスティック)です。1個2万円の工業用ジョイスティックを2個用いまして、LED付きプッシュスイッチやキー付きスイッチなども用い、それっぽい雰囲気のある高級感のある仕上がりとなっております。製品として売っていそうな仕上がりです。

  画面に表示されているアプリケーションも、コース上での障害物のヒット位置を表示したり、プレイヤー登録やタイムランキング表示をしたりして、ゲーム性を持たせました。

f:id:inrabbit:20170811231909j:plain

 クレーン模型の全景はこちらです。この模型自体は、去年のMaker Faire 2016で出展したものとほぼ同一のものを用いました。精密な模型は今年も多くの方に見ていただき、制作方法などの質問を大変多くいただきました。

 先端についているLED(航空障害灯)は、かなり遠くからでも確認でき会場内にて遠くからでもブースの位置がよくわかりました。

f:id:inrabbit:20170811232122j:plain

 モータードライバ基盤やカメラなどの電装系は、過去のブログで紹介しました、Raspberry Pi Zeroを用いたものを使っています。運転席部分は模型として再現されていませんが、基盤は運転席のサイズ内に全て収まっています。

入場者の方々の反応

 全体的に、去年に引き続き多くの好評をいただきました。ありがとうございました。去年の展示のことを覚えていてくださった方も何人かおり、ゲームとして体験してもらえる方向への発展についても好評をいただきました。

f:id:inrabbit:20170811233454j:plain

f:id:inrabbit:20170811233537j:plain

 今回は、クレーンゲームということもあり、お子さんのプレーヤーが大変多かったです。しかしながら、全体的に今回のクレーンゲームは、小学校入学以前のお子さんには操作が難しかった印象が感じられました。お子さんたちはやりたがってくれましたが、思ったよりも難しく、結局親御さんが操作しているといった感じが多かったです。 

 今回のクレーン模型の操作は実物と同じく、3つのレバーで直接3つのモーターを操作するものなのですが、これは極座標における操作となってしまい、直感的な操作ではありません。次回は、より簡易的な、直交座標による直感的な操作をアシストするモードを設けても良いのではないかと思いました。

f:id:inrabbit:20170812000207j:plain

 こちらは、操作中にケーブルが外れてしまったのを修理している様子です。次回は回転リミッターなどをつけて、間違った操作でケーブルが外れてしまうことは起きないように改善していきたいと思います。

f:id:inrabbit:20170812000752j:plain

 ところで、今回の来場者の方々の中に、数名ほど、実際にクレーン運転免許を持っている方がいらっしゃいました。世間は狭いものです。また、なんと、実際にクレーンの運転の仕事をなさっている方もいらっしゃいまして、本ゲームをやっていただきました。丁寧な感じで操縦されていまして、時間は7位くらいに入っていたと思います。

 さて、ランキングの方は最終的にどのようになったのかといいますと。。以下は2日目の閉会場する直前の画面のキャプチャですが・・

f:id:inrabbit:20170812001404p:plain

 画面をよく見ると、JyuukiとかHeavyとかいう人で上位ランキングが独占されています。実はこれ、同一人物で、製作者(メカ担当者)本人です。よく見ると、製作者がプレーしているシーンがちらほら写真に写っています。

f:id:inrabbit:20170812002017j:plain

f:id:inrabbit:20170812002146j:plain

 この写真なんて、自分でやってないでお客さんにやらせろよ!(笑)って思えますが、プレーの見本を見せているんです。(笑)繰り返し見本を見せていると、どんどん上手くなっていきます。(でも、この記事の執筆者本人は一度もランクインできない下手くそでしたが・・笑)

 実は出展者側としても、作ったクレーンゲームを使うことをできるのはこの場限りなんです。こんなものを組み立てて置いておけるほど広い部屋はありませんし、そもそも部品は各自で分けて保管しています。

f:id:inrabbit:20170812003022j:plain

 さて、ゲームとしては、2日間で(ゴールまでやり遂げて)記録が残っているだけでも、110人を超える方々にプレーしていただき、大変多くの方々に見ていただきました。ありがとうございました。

今後の展開

 今後の展開について、まだはっきりと決まっておりませんが、記事の執筆者の勝手な想像では以下のようなものが挙げられます。

  • クレーン模型の変更、大型化、ブームブースター
  • コースの障害物センサーの改良(静電容量センサetc)
  • ロータリーエンコーダによるフィードバックをつけ、サーボ機能を持たせて操作性と安全性の向上
  • 子供向けのゲームコンテンツ(トレーラーへの積み荷、車庫入れ、工事現場シミュレーションetc)

今後の展開にご期待ください!

MakerFaire2017へ向け結合試験中(その2)

Maker Fair 2017まで残り1週間を切りました。本日は、メカ担当者が私のところへ直接来て、最終結合試験とコネクタなどのすり合わせを行いました。渋滞に巻き込まれて片道4時間以上かけて来てくれました。作るものがまだいっぱい残っているのに交通で時間消費してしまいました。

 この光る棒は・・・なんなのでしょう?

f:id:inrabbit:20170730224430j:plain

裏を見ると、何やら74シリーズのロジックICがびっしりですが。。

f:id:inrabbit:20170730223927j:plain

必死にデバッグしております。

f:id:inrabbit:20170730224047j:plain

私の方は、買ってきたGPIOユニットが動かずに大忙しです。単なるGPIOなので、時間があればマイコン買ってきて作るんですが、今回時間があまりにもなかったので、時間をお金で買うということで既製品を買いました。しかし、使い方が分からない!なんでも最初に買うデバイスは使えるまでに時間がかかるものです。。

 では皆様、当日会場にてお会いしましょう!

MakerFaire2017へ向け結合試験中

Maker Faire 2017まで残り2週間となりました。今回の私たちの展示物の一部を簡単に紹介したいと思います。

 今回の目玉の1つはこれ、疑似操作卓です。1個2万円以上する工業用ジョイスティックを用いて、操作卓を専用に作成しました。会場で是非操作感を体感してみてください!

f:id:inrabbit:20170723153937j:plain

 昨日に担当者より操作卓ハードウェアを受け取りまして、本日ようやく、最初の結合試験が成功しました。

f:id:inrabbit:20170723142053j:plain

 滑らかに動いてなかなか良い操作感じです。さすが1個2万円!

f:id:inrabbit:20170723142103j:plain

 今回の目玉のもう一つは、障害物コースの導入です。これによってクレーン操作にゲーム性を取り入れます。しかしながら、センサー付きの障害物コースと表示アプリは、それぞれ別の担当者がまだ作成中であり、まだまだ完成には時間がかかります。これからが正念場です。本当の意味での結合試験は、MakerFaireの開場数時間前になりそうです。(笑)

 

 

Maker Faire Tokyo 2017 企画紹介

クレーン運転士免許を取ろう!-これが本当のクレーンゲーム-

  

(内容)

クレーン運転士免許の実技試験の合格率は約50%。もっと練習したい貴方に朗報です。クレーン運転士免許の実技試験を体感出来る設備をご用意しました。1/50のジブクレーン模型をRasberry Piで遠隔操作します。
巷に溢れるクレーンゲームは一線を画す体験を貴方に!

 

(図の説明)

去年はクレーンのみの展示でしたが、今年はゲーム性を取り入れ、実技試験環境を構築しました。参加者に操作を体験して遊んでもらえます。

f:id:inrabbit:20170428224409p:plain

高さなどのサイズは以下の通りです。

f:id:inrabbit:20170428224425p:plain

去年のMaker Faire Tokyo 2016のレポート記事

今年新規作成したRaspberry PI Zeroによる小型コントローラと操作ジョイスティック

inrabbit.hatenablog.com

Intel Edisonを使ったIMU(慣性計測装置)の作成

f:id:inrabbit:20160924161025j:plain

はじめに

 クレーン模型の揺れ止め制御のため、IMUモジュールを作成しました。クレーンで吊られている貨物の中に入れて、揺れを止めるように自動制御させるために利用します。最初はマーカーを複数のUSBカメラで撮影して画像認識によって貨物の揺れを検出しようとしましたが、画像認識アルゴを作る手間とロバスト性、特に遅延の問題が懸念されたため断念し、代わりにMEMSジャイロを用いることにしました。 

 MEMSジャイロを用いる際に必要となった制限事項は、吊られている貨物に載せるわけですから、(1)無線通信かつ電源はバッテリー(2)通信量を減らすため、加速度から位置を算出する積分またはカルマンフィルター的な信号処理は、吊られているCPUモジュール内で行う、ということが必要となります。作るのは面倒になるかと思いきや、調べてみるとIntel EdisonにSparkFun Electronicsで販売されているモジュールを繋げるだけで、簡単にできてしまうことが分かりました。信号処理も自分で作るとけっこう面倒だなと思っていましたが、RTIMULibというライブラリをインストールするだけで簡単にできてしまうようです。ドローンやロボット関連で必要なのだと思いますが、慣性計測関連は機器・ソフトウェア共に充実していて助かります。 

購入したもの

SparkFun社のものは、日本からはスイッチサイエンス社から購入できます。 

f:id:inrabbit:20160924161945j:plain

 組み立て

 組み立ては非常に簡単です。Edisonと9DoFモジュールとバッテリーモジュールを順に繋げるだけです。ただ、コネクタで繋げただけだと衝撃で外れそうですから、ネジで固定します。Edisonと9DoFモジュール間は、Edison BreakoutBoard Kitに付属してきたネジを使って固定しました。9DoFモジュールとバッテリーとケース間は、M2の3mmスペーサーを利用します。(このネジはSparkFunでも売っていますが、Amazonで上記リンクのものを買ったほうが安いのでお勧めです)

f:id:inrabbit:20160924161256j:plain

 ケースは秋月電子で売っている小さいものに穴を開けて利用します。ただし、バッテリーをケースに入れるとフタが閉まらなかったので、バッテリーだけ外に出しました。バッテリーは交換可能なようにコネクタをつけておきます。

f:id:inrabbit:20160924161356j:plainf:id:inrabbit:20160924161441j:plain

 使ってみて分かったのですが、このバッテリーモジュールは、USBからの電源供給時においてもバッテリーを繋いでおかないと Edisonに電源が供給されないようです。つまり、USBから給電するつもりでもバッテリーは常に取り付けておかなければ動作しません。

 

ソフトウェア

 以下のサイトに書かれている通りにして、RTIMULibをインストールします。 

Intel Edison · EekMex

  つぎに、キャリブレーションを行います。

※今年以内にキャリブレーションの詳細を書く予定

 

現在、この程度のIMUの精度では滑車の揺れ止め制御はできないのではないか、という疑問が湧いてきているため、使えるかどうか検討中です

 

更新履歴

2016/10/18 初版

Raspberry Pi Zeroを使った模型コントローラ(Ver.2)の作成

f:id:inrabbit:20160902231431j:plain

  はじめに

 前回作成したEdisonによる模型コントローラ(Ver.1) よりも、小型のコントローラをRaspberry Pi Zeroを利用して作成しました。スペックは以下の通りです。

  • PWM制御DCモーター×4チャネル(6~13V, 1A)
  • ADコンバータ×3チャネル(10ビット)
  • 無線LANからの制御
  • 単一電源(モーター電圧と一致した電圧)

 Ver.1のコントローラーを作成した後になってから、Raspberry Pi Zeroと新しいモータードライバの存在を知りまして、これを使えばもっと簡単に作れるじゃないか、ということに気づいたので作りました。

回路図

f:id:inrabbit:20160903091039j:plain

非常に簡単な回路構成で、買ってきたモジュール同士を線で繋いだだけで作れてしまいます。 必要なモジュールは以下の通り。

Raspberry Pi Zero V1.3

無線LANドングル(WLI-UC-GNM)

Pololu Step-Down Voltage Regulator D15V35F5S3

Pololu TB6612FNG Dual Motor Driver Carrier

MCP3008 (10ビット8チャネルADコンバータ)

Raspberry Pi Camera module v2.1

Raspberry Pi Zero用カメラケーブル

 電源は、外部から6V~13Vの直流電源を接続します。これはそのままモータードライバへ入力されます。モータードライバTB6612FNGは、TA7291Pのように電圧の調整機能がなく、入力したモーター用電源電圧がそのままモーターに出力されるので、外部電源の電圧はモーターにかける電圧と一致させておきます。モータードライバは1つのICで2チャネル、基盤全体で合計4チャネルあります。

 Raspberry Pi Zeroへの電源を供給するために、5V/3.5AのDC-DCコンバータを使っています。USBに無線LANドングルを挿したり、デバッグ時にはキーボードなども繋ぐため、少々大きめの電源にしています。D15V35F5S3という電源は、今回使う部品の中で2番目に高価なものです。(1番高いのはカメラモジュール)

 ADコンバータは、ポテンショメーターからの位置取得用に利用されます。MCP3008は8チャネルありますが、今回は3チャネル分しかコネクタを取り付けていません。SPI通信でRaspberry Pi Zeroと接続します。このADコンバータはRaspberry Piとの組み合わせでよく使われるようで、検索すれば使い方を説明しているサイトが多く出てきます。

  モータードライバの制御用電源とADコンバータの電源は、Raspberry Pi Zeroの基板上で作られている3.3Vの電圧を利用します。GPIOの電圧と一致させて、ロジックレベルの変換を不要とするためです。何mAくらい使っていいのかよく分かりませんでしたが、この回路構成で問題なく動いています。

 以前(Ver.1)の基盤では、ドライバへの入力がプルダウンされておらず、OSが起動するまで不定値となってしまい、電源投入後にモーターが動いてしまうという問題がありました。このモータードライバはIC内部でプルダウンされているので、外付けでプルダウンを追加する必要はありません。

 このモータードライバは、正転・反転・停止・ブレーキの4種類の動作があります。停止というのは、単に電源供給を停止してモーター端子の間に電流を流れなくします。この場合、モーターは慣性で回り続け、徐々に止まっていきます。一方、ブレーキというのは、モーター端子を短絡させた状態とさせることを意味しており、この場合はモーターは発電機として働き、その回転は電気エネルギーとして端子間を流れて熱に変換されて消費されていきます。そのため、停止にするよりも即時に完全停止します。ブレーキ状態のときにモーターの軸を外部から回転させようとしても、発電機として働いて非常に大きな負荷が接続されている状態なので、非常に回しにくくブレーキの効いた状態になります。

 モータードライバとDC-DCコンバータは、スイッチサイエンス社から通販で購入できます。Raspberry Pi Zeroは日本ではまだ売ってないため、Pimoroni社から通販で購入します。海外からですが2週間程度で届きました。

f:id:inrabbit:20160902231935j:plain

  Raspberry Pi Zeroと作成した基盤は、GPIO用40ピンヘッダーで接続します。40ピンヘッダーから電源のやりとりも行えます。5V電源の供給は2,4番ピンから行って問題ないようです。

 基盤はTNF34-124というのをカッターで切断して利用しました。Raspberry Pi Zeroの基盤の大きさとほぼ同じ大きさに詰め込めました。

 f:id:inrabbit:20160902232100j:plain

 モータードライバのピッチ変換基盤の下に配線を入れてしまったので、いったんモータードライバ基盤をはんだ付けしてしまうと、間違っていた時に修正がめんどくさくなる構成になってしまいました。取り付け前に配線が間違っていないか念入りに確認しておきます。

 実は基盤が完成した後で、規格外のモーターを接続してモータードライバを壊してしまいまして、そのときは修理が大変でした。ピッチ変換基盤を取り外そうとしましたが、基盤がスルーホールではんだを完全に取るのが大変だったのであきらめました。その代わりに、SOPのTB6612FNGをカッターナイフで取り外し、単体で購入してはんだ付けしなおしました。SOPのICは、足を壊していいなら取り外すのは結構簡単です。カッターで切断して取り外し、残った足は、はんだごてとはんだ吸収線で簡単に除去できます。

ソフトウェア

無線LANドングル 

f:id:inrabbit:20160902232011j:plain左がWLI-UC-GNM、右がOfficial Raspberry Pi WiFi dongle

  Raspberry Pi Zeroを無線LANに接続するのは、けっこうハマりました。いろいろ必要な部品がセットになっていたので、Pi Zero CCTV Kit (Little Bro) - Pimoroniというセットを買ったのですが、これに付属していたOfficial Raspberry Pi WiFi dongleが、どうやっても自宅の無線LANルーターと接続できませんでした。ハードウェアは正しく認識されて、ルータのSSIDは表示され、パケットも少しはやり取りできているはずなのに、DHCPのアドレスが取得できず通信できませんでした。固定IPにしても無理でした。そこで、ネット上で動作報告のあった、バッファローのWLI-UC-GNMを試しに買ってきて接続してみたら、一発で動作しました。無線LANに詳しくないので原因はさっぱりわからずじまいでしたが、この件で2日ほど無駄にしました。

カメラからの動画取得 

 最初は、CCTVキットを動作させる方法を説明している「Make a Raspberry Pi CCTV security system | Expert Reviews」の通りにすれば、すぐに画像が出ると思っていたのですが、motion-mmalcamを動作させるためのライブラリがインストールできないものがあり、すぐに暗礁に乗り上げてしまいました。

 OSには、Raspbian JessieのVersion May 2016を使っていたのですが、この環境だとうまくいかないのかもしれません。検索してみると、以下のサイトで書いてあるのと全く同じ状況になっており、mjpg-streamerを使うと動いたと書いてありましたので、その通りにしたらすんなり動きました。大変感謝です!

qiita.com

ソフトウェアPWM 

 ソフトウェアPWMには、最初はpigpio libraryを利用しようとしましたが、うまく動きませんでした。PWMだけでなく、普通のIO制御も全くできませんでした。ライブラリにはZeroでも対応していると書いてあるため、Raspbian Jessieだと、現時点で正常に動かないだけなのかもしれません。代わりに、RPi.GPIOでもソフトウェアPWMに対応しているようだったので、使ったらすんなり動きました。

 ただし、ソフトウェアPWMはCPUの負荷が高いようなので、mjpg-streamerと同時に動かすとモーターの音が乱れます。Zeroはシングルコアなので余計に負荷の影響を受けるのかもしれません。対策として、動画のフレームレートを落とすと影響が少なくなるようなので、画像サイズ640x480にて5~10FPSに設定しています。

Ver1.0のコントローラ基盤との大きさ比較

f:id:inrabbit:20160902232150j:plain

 奥のものがVer1.0の基盤です。部品点数が大幅に減って小型化しました。また、配線が楽になって大幅に作りやすくなりました。コスト的には、高かったEdisonが安いRaspberry Pi Zeroに置き換わったうえ、部品点数も減ったのでトータルでは少し安くなっていますが、海外からの送料などもあるので、大幅に安くなってはいないです。

 ちなみに、Pimoroniで売っているPibow Zero Case for Raspberry Pi Zero version 1.3に入れると以下の写真のようになります。webに組み立て図があるのを知らずにパズルのように部品を組み立てたら、どの層のパーツなのか分からなくて迷って結構大変でした。取り付けると結構大きくなってしまうので残念ながら取り外し予定。

f:id:inrabbit:20160923011603j:plain

PC側の操作アプリケーション

 以上によって、無線LAN経由でカメラとモーターと位置センサの情報が取得できるようになりましたので、次は操作するクライアントアプリケーションを作成します。前回(Ver.1)ではpythonでTornado(webサーバ)を起動させて、webブラウザから制御できるようにしたため、webブラウザさえあれば操作できました。この方法ではスマホ等からでも操作できるという利点はあったのですが、スクロールバーで操作するのは使いにくかったため、今回は専用のWindowsアプリケーションを作成することにしました。

 クライアントアプリ(操作アプリ)は、.Net Framework (C#)で作成します。ユーザーインターフェイスWPFを使うことにしました。通信はソケットを利用した文字列によるコマンド/データの送受信を行います。メインスレッドからインターバルタイマーによる一定周期にてRaspberry Piへのコマンド送信を行い、別スレッドにてRaspberry Piからの受信を行います。別スレッドからWPFのUI描画を直接行う際には、Dispatcher.BeginInvoke()を利用するのを忘れてはなりません。

f:id:inrabbit:20160919004832j:plain

f:id:inrabbit:20160924163344p:plain

(※画像はデザイン時用のハメコミです)

ジョイスティックによる操作

 ジョイスティックによるモーター操作をできるようにしました。X,Y軸の倒れとPoVボタンの上下方向をZ軸として使っています。写真のジョイスティックではZ軸の回転も取得できるのですが、これは用途が思い付かなかったので利用していません。

 ジョイスティックを使うのはDirectInputを使えばいいことは分かっていたのですが、.Netからどのように使うのか分かりませんでした。調べたところ、DirectXのmanagedラッパークラスライブラリである「SharpDX.DirectInput」を使えば楽なようです。(これは個人の方が開発されたものです。Microsoftが提供しているライブラリは探したけどありませんでした。)NugetのPackage Manager Consoleから「Install-Package SharpDX.DirectInput」と打ち込むだけでOKです。DirectX SDKのインストールは必要ありません。具体的な利用方法は、「Taking input from a joystick with C# .NET - Stack Overflow」のページに書かれています。基本的な使い方として、定期的にジョイスティックログを読みだして、注目する種類のログのタイムインデックスにおける最新の値のみを適用します。過去のタイムインデックスは、おそらく操作の速度を知りたい場合などに必要となりそうです。

Motion JPEG (mjpg)ストリームの表示

 mjpeg-streamerには、画像スナップショットをhttpで1枚1枚読み出す方法が提供されているので、それ経由で画像を取得してからWPFのImageに表示させて、DownloadCompletedのタイミングでまた次の画像を取りに行く(javascriptではそうやって表示させている)という方法を最初に試しましたが、画像の更新が遅すぎて断念しました。検索してみると、「MJPEG Decoder」というライブラリを見つけたので、使ったらすんなりと滑らかに画像が表示されました。使い方はこちらのページなどに書かれています。

ソースコード/インストール方法

ここで公開予定です。

履歴 

2016/9/3 初版

2016/9/19 PC側アプリを追加

2016/9/23 Pibow Zero Caseの写真を追加

 

遠隔制御タワークレーン(JCC-V720S) 1/50模型 Maker Faire 2016出展報告

Maker Faire 2016出展報告 

2016年8月6,7日に東京ビッグサイトで開かれた、Maker Faire 2016での展示の様子を報告いたします。

f:id:inrabbit:20160902212210j:plain

展示の様子

 右側のパソコンでwebブラウザから操作できるようになっています。ブラウザのスクロールバーをタッチパッドで動かすのは操作しずらかったので、次回はジョイスティックや自動操縦などに変更することを考えています。

 左側のパソコンには、模型作成の上で参考とした撮影写真を表示しました。また、部品を手に取って眺めていただけるようにしました。

f:id:inrabbit:20160902222642j:plain

模型アップ

スケール比較用の人形を配置しました。

f:id:inrabbit:20160902222751j:plain

 制御基盤は操作室がある部分に設置しました。USBカメラはアーム部分に固定してあります。1日目は無線の接続がよく切れて大変でしたが、2日目は一度も問題は起こりませんでした。

f:id:inrabbit:20160902213451j:plain

 Maker Faireでの出展は初めてだったのですが、想像以上に多くの方々に見に来ていただきました。ありがとうございました。

 今回展示した重機模型については、好評な意見を多くいただきました。大変励みになりますので、次回は完成品を展示できるように頑張りたいと思います。制御に関しては、今回はwebカメラ程度のことしかできませんでしたが、面白いことができるとよいという感想を多くいただきましたので、次回に向けてアイディアを出しています。全体的な傾向として、Maker Faireでは弱電系というか、マイコンなどを使った電子工作系の展示が多い感じがしますので、制御系にも力を入れていきます。

f:id:inrabbit:20160902221235j:plain

参考リンク

inrabbit.hatenablog.com

更新履歴

2016/9/2 初版