Hackday2019出展報告

f:id:inrabbit:20191231003137j:plain

2019年12月15日に開催された、Yahoo様主催のHackday 2019に出展してきましたので、そのご報告です。

場所

f:id:inrabbit:20191231003715j:plain

秋葉原UDX

 今回の開催場所は、なんと秋葉原UDX

f:id:inrabbit:20191231011613j:plain

会場案内に我々の展示が紹介されています

 Hackday2019では、審査員として久保田雅人さん(わくわくさん)や司会で声優の山下まみさんが出演なさっていたようです。我々は展示の設置と説明員をしていたため、見ることはできませんでしたが、中から声は聞こえてきました。

展示全景

f:id:inrabbit:20191231003504j:plain

展示全景

 私たちの展示の設営場所は、UDXの入り口の真ん前でした。屋外にテントを張って、その中でクレーンを展示します。天井の高さ制限のせいでクレーンの動作が制限されてしまうため、最初はテント外に出した方がよいと考えたのですが、風が強くクレーンが倒れる恐れがあったためテント内に設置しました。

f:id:inrabbit:20191231010704j:plain

展示したクレーン模型はMakerFaire2019のものとほぼ同等です

f:id:inrabbit:20191231010821j:plain

今回のクレーンゲームのルール

 今回はクレーン模型の展示内容はMakerFaire2019とほぼ同等なのですが、ゲーム性を工夫しました。今回のクレーンゲームの目的は、時期にちなんで「クリスマスツリーの飾りつけ」です。飾りが乗っている台からグラップルで飾りをつかんで、クリスマスツリーまで持っていきツリーの上に乗せて飾り付けをしてゆきます。これまでの展示で一番まともなゲームになりました。

f:id:inrabbit:20191231011313j:plain

飾りが掴まれる様子

f:id:inrabbit:20191231011415j:plain

飾りをツリーにつける様子

設置・準備

f:id:inrabbit:20191231004443j:plain

Hackday2019会場

f:id:inrabbit:20191231004633j:plain

Hackday2019会場の様子。我々の展示ブースは一番手前です。

f:id:inrabbit:20191231005452j:plain

準備開始します。今回は2時間で準備しなくてはならなかったので大忙しでした。Makeの場合は現場でゼロから組み立てていたのですが、今回はある程度組み立てたものをレンタカーで運びました。

f:id:inrabbit:20191231005842j:plain

秋葉原UDXで重機模型が組み立てられている様子は、おそらくこの機会以外にはないと思うので、貴重な写真です。

f:id:inrabbit:20191231010337j:plain

組み立て完了!なんとか間に合いました。

 お客さんの反応

f:id:inrabbit:20191231014400j:plain

今回の展示もお子様や親子連れに大人気でした!親子連れに人気なのはMakerFaireでも同じなのですが、今回は秋葉原ということもあり、クレーンに興味がある女子の方もチラホラいらっしゃいました。

f:id:inrabbit:20191231014729j:plain

非常に多くの方に来ていただきました。展示時間は短かったですが、人の入りはMakerFaireよりも多かったです。基本的に親子連れかお父さんです。

f:id:inrabbit:20191231015145j:plain

f:id:inrabbit:20191231015015j:plain

こちらはテレビの取材・・ではなくて、Yahoo様による展示内容のインタビューの様子です。Youtubeなどに流されていたようです。

 まとめ

 今回も非常に多くの方に展示を見ていただけました。このような機会を提供していただけたYahoo様、ならびにお越しいただいた方々に感謝申し上げます。

 

HackDay2019に出展します

Yahoo様主催の「HackDay2019」に出展することになりました。開催日時は、12月15日(日)12:00-18:15 @秋葉原UDXです。入場無料だそうです。

 当日はMaker Faire 2019とほぼ同等の内容を展示する予定です。Maker Faireに負けない楽しい展示がいっぱいですので皆さん是非お越しください!!

 

hackday.jp

テレビ取材を受けた番組の放送予定

先日のMaker Faire 2019で取材を受けた番組の放送時間が決定しました。番組内で何分くらい取り上げられるのかは不明です。
 
番組名:great gear
 
海外における放送日時
チャンネル:NHK WORLD-JAPAN
2019年9月19日(木) 日本時間(JST
時間:00:30-00:58  06:30-06:58  12:30-12:58  18:30-18:56
 
国内における放送日時
チャンネル:BS-1
2019年9月21日(木) 日本時間(JST
時間:04:30-04:58
 
オンエア後から1年程度は、以下アドレスからオンデマンドで視聴可能です。
 

クレーン模型制御ソフトCraneMonitorの使い方

はじめに

 Maker Faireへのクレーン模型の展示向けに作成してきた制御ソフト「CraneMonitor」の使い方説明書です。

f:id:inrabbit:20190818001521j:plain

動作中の画面キャプチャ

 なぜ、このブログで制御ソフトのマニュアルを公開するのかというと、それは私自身が忘れないためと、いざというときに会場で参照するためです。

 マニュアルをちゃんと書いておいても、置いてある場所が分かっていないといけませんが、例えばパスワードがかかった場所に置いてあったりすると、結局読めなかったりしますので、誰もが分かる場所になければなりません。

 また、現状このソフトは、私(=inrabbit)しか操作できないため、私がいないとセットアップできない状況なのですが、それを今後なるべく属人化を回避した状態に持っていきたいためです。もし我々が使い方で悩んでいたら、これを読んでもらったお客さんに教えてもらえる、みたいなのが理想的な形かなと思います。(笑)

 

GitHubリポジトリ

 CraneMonitorのソースコードと実行バイナリは以下にあります。Visual Studio.Net FrameworkWPFを使って書かれています。言語はC#です。

github.com

 

システム構成

 自作したデバイスとPCとの通信にはUSBシリアルが用いられています。それに加えてUSBカメラ2台が接続されています。

f:id:inrabbit:20190818111030p:plain

システム構成と機器接続

 

ノートPCの設定

 展示中、ノートPCには外部ディスプレイを接続して使っており、PC本体は触っていないため、ノートPCの画面を閉じても電源が切れないようにしておく必要があります。

f:id:inrabbit:20190818111221p:plain

ノートPCの設定での注意点

 

画面構成

 起動時の画面です。セキセイインコの写真は設計時に表示する画像がないから適当に入れたもので、USBカメラからの動画が表示されれば消えます。

f:id:inrabbit:20190818111548p:plain

起動時の画面

 

バイスとPCの接続

f:id:inrabbit:20190818111715p:plain

バイスとPCの接続方法
 起動初期にCOMポートとセンサは自動接続される。COMポートは何も機器接続されていなくとも接続成功してしまうが、そのままだと機能しないので、切断してから機器接続し、再接続すること。
 ポート名などは、接続時(ボタン点灯時)に指定された名称で接続される。ファイルからのロードは任意のタイミングで可能であるが、点灯状態のままファイルロードしてポート名が変わっても、接続は旧設定のまま維持されるので注意。
 動作中にポートを変えるには、「接続解除⇒ファイルロード⇒再接続」の手順を踏む必要がある。
 設定ファイルは、CraneMonitor.exeと同一フォルダまたは、1つフォルダ階層が上の場所中にSetting.xmlという名称であるものとする。
 起動時に自動読み込みされ、存在しなければデフォルト値となる。

 Joystickとはゲーム用の普通のジョイスティックのことであり、
Controllerとはオリジナルの操作卓のことである。JoystickとControllerは同時に接続しないこと。

 

モーター設定

 6つ接続できるモータードライバのチャネルに、ジョイスティックや操作卓などの指令値をどのように割り当てるかを指定します。設定は、回転の向きと、直接PWM指令値を指定する動作モードか、速度を指定するフィードバック制御にするのかです。フィードバック制御をする場合、モーターの回転軸に位置検出用のエンコーダが取り付けられていなくてはならないです。ポテンショメーターを取り付けると、可動範囲を自動制限するリミッタ機能として利用できるようになっています。(リミッタ機能はこれまで使われたことがないので動作しないかもしれない。)

 また、選択した3チャネルの動作状況をグラフィカルなメーター表示にすることができます。

f:id:inrabbit:20190818112018p:plain

モーターの設定

 

操作卓とジョイスティックの指令値番号

 モーター設定におけるジョイスティックの指令値は以下の表に従います。この値を選んでxmlファイルに書き込みます。本来なら、設定ファイル読み込みではなくて変更可能なUIにすべきなんでしょうが、展示用にはこれで機能的に十分なのでやめました。

f:id:inrabbit:20190818112103p:plain

操作卓とジョイスティックの指令値番号

 

 表示切替

 展示の運用の際に不要な設定ボタンや、使っていない不要な機能を隠せるようになりました。

f:id:inrabbit:20190818112152p:plain

画面表示切替

 

ランキング機能

 ランキング用のボタンは、設定次第で操作卓と連動させることができる。非動作時に消灯し、動作中/登録が完了した有効時に点灯する(消灯しているからといって押せないという意味ではない)
 ランキング情報はexeと同じフォルダ内に、記録ごとに別のxmlファイルとして保管される。現状、手作業によるXmlファイルの書き換えや削除をした後の更新は、プログラム再起動のタイミングのみに行われる。

f:id:inrabbit:20190818112222p:plain

ランキング機能

 

グラップル方位角表示機能

 グラップルへの指令は操作卓側からの赤外線経由なので、CraneMonitorは関与しない。しかし操作卓への設定値は全てPC側に送られるようになっているため、画面上に操作卓のエンコーダの設定値を表示だけはしている。

f:id:inrabbit:20190818112245p:plain

グラップル方位角の表示機能

リアクションホイール付きグラップル(Maker Faire 2019)

 Maker Faire 2019の展示向けに作成したリアクションホイール付きグラップルの詳細を紹介します。展示の様子は以下の記事をご覧ください。 

inrabbit.hatenablog.com

 実際に動いている動画は以下です。

youtu.be

構造の説明

f:id:inrabbit:20190818004922p:plain

新グラップルの構造

回路図や回路基板の詳細は以下をご覧ください。

inrabbit.hatenablog.com

  横から見た写真です。筐体は3Dプリンタで作られています。リアクションホイールは金属でできています。

f:id:inrabbit:20190818005103j:plain

新グラップル写真

f:id:inrabbit:20190818005131j:plain

新グラップル写真・下から

 新グラップルの設計の元となった旧グラップルの構造です。 赤外線通信機能やマイコンは同じものを使っています。旧型のグラップルでは、リアクションホイール用のモーターやモータードライバは、メカ設計に詳しくないメンバーが適当に作ったため、無意味に高出力なものが使われていましたが、新型では適切に再設計されました。

f:id:inrabbit:20190818005018p:plain

旧グラップルの構造

旧型グラップルの説明記事は以下です。

inrabbit.hatenablog.com

  新旧グラップルの比較写真です。

f:id:inrabbit:20190818011416j:plain

新旧グラップルの比較写真

 今後は、新型で間に合わなかった、ジャイロによるリアクションホイールの自動制御の実装や、揺れ抑制機能などを追加してゆく予定です。

Maker Faire 2019 出展報告(その2)

全景(2日目)

 2日目のクレーン模型の全景です。2日目はアーム先端をさらに伸ばして高くしました。Maker Fairに我々が過去出展したクレーン模型の中では、最も高いものになりました。

f:id:inrabbit:20190817235425j:plain

2日目のクレーン模型の全景

 高くなったアームには、航空障害灯のLEDが点滅していますので、遠くからでもよく見えます。(ざっくりと周りを見た限りでは)個人展示の中では(おそらく)最も高い構造物になりました。

f:id:inrabbit:20190817235720j:plain

 

準備(2日目)

2日目の準備の様子を紹介します。

f:id:inrabbit:20190817235232j:plain

2日目の準備の様子

 本体のアップ写真です。ワイヤー巻きつけのローラー部分に注目ください。モーターがどこに入っているか分るでしょうか?

f:id:inrabbit:20190817234439j:plain

ワイヤー巻き付け部分のアップ

実は、ローラーの内部に組み込まれているのです。詳細な構造が知りたい方は、会場にて模型作成者に聞いてみてください。

f:id:inrabbit:20190817234636j:plain

ローラー内部のモーター

 いよいよアーム立ち上げの瞬間です。倒れてしまうかもしれないため、緊張しつつ見守ります。同一の構成で過去に組み上げたことはありません。アームが長すぎて机2つ分に収まりきらず、一時的に隣の展示ブースの方の机をお借りして組み立てました。

f:id:inrabbit:20190818000224j:plain

アーム立ち上げの様子

クレーンゲームの様子

 クレーンゲームは、2日間にわたり大変多くの方に体験していただきました。今回はグラップルの回転を含む4つのモーターを2本のジョイスティックで制御するため、操作は難しく、お子さん方には少々難しいかなという印象を受けました。将来的には、グラップルの姿勢制御はジャイロで自動化されるため、難しい操作は改善されてゆくだろうと考えています。

f:id:inrabbit:20190818000943j:plain

クレーンゲームの様子

 以下は展示の際のディスプレーのキャプチャです。運転席からのカメラとアーム頂上から見下ろすカメラによる2つの動画が表示されています。アーム頂上のカメラからは、完全に人を真上から見下ろしています。

 ソフトウェアは去年のもののを微修正しました。(そのうちGitHubでマニュアルを含めて公開予定です。)ランキング機能は、今回は全く使われませんでした。毎回同じようにぬいぐるみやオブジェクトを配置しなおしたり、ルールを説明したりするのは、説明員側としても結構手間がかかるためです。

f:id:inrabbit:20190818001521j:plain

制御部の画面キャプチャ

テレビ局の取材

 今回の展示で起こったイベントの1つに、テレビ局の取材が入ったというのがあります。レポーターの方が入って長時間撮影されていきましたが、カットされるかもしれないので具体的な番組名は伏せておきます。

f:id:inrabbit:20190818002511j:plain

 

まとめ

 今回は、去年までに未完成だった、我々の展示において過去最大のブームブースターのクレーン模型を展示することができ、新設計のグラップルと併せて、クレーン模型とゲーム操作性の両面から、過去最も完成度が高い展示をすることができました。

 また、多くの方々に展示を見に来ていただけました。去年の展示を覚えてもらっており、励ましの言葉をいただくこともありました。これを励みに来年もより良い展示を目指して頑張っていきたいと思います。

f:id:inrabbit:20190818003012j:plain

解体直前のクレーン

Maker Faire 2019 出展報告(その1)

f:id:inrabbit:20190817215540j:plain

2019年8月3日~4日に開催されたMaker Faire Tokyo 2019に出展してきましたので、そのご報告です。

 

全景

 例年通り、クレーン模型を中心にした体験型の展示です。クレーン模型自体も新しい型に更新されたほか、吊るしてものを掴むためのグラップルを新造し、クレーンゲームとしての完成度を高めました。

f:id:inrabbit:20190817215829j:plain

2日目の展示の様子

f:id:inrabbit:20190817215927j:plain

1日目の展示の様子

準備(1日目)

 今回はクレーンの一部とグラップルの新造という大きな作業がありましたが、徹夜したのは1名だけで、なんとか無事完成させることができました。

f:id:inrabbit:20190817220711j:plain

新作のブームブースター機の準備中

ブームブースターというのは、クレーンのアーム部分が膨れている(太くなっている)機体のことを意味するのだそうです。実はブームブースターは去年に展示する予定だったのですが、去年には間に合わず今年の展示となってしまいました。

f:id:inrabbit:20190817221140j:plain

 

クレーン全景(1日目)

これら全て手作りです。ブームブースターが立ち上がった時は感動ものです!

f:id:inrabbit:20190817221519j:plain

ブームブースター全景(1日目)

新作グラップル

 今回の展示の目玉の一つが、新作のグラップルです。詳細な説明は別の記事で行いますが、大まかには、電磁石による吸着からアームによる把持に変えました。去年のものは、赤外線で通信してリアクションホイールで回転姿勢制御していましたが、それらの機能はそのまま(再設計して)引き継がれました。

 去年はモーターに電流を流すとノイズで通信できなくなり、制御が大変難しい不具合がありましたが、今年の新作ではそれらの問題は解消されて自由に操作できるようになりました。

 ただ残念なことに、今年もジャイロによる自動の姿勢制御は間に合いませんでしたので、ジャイロ制御は来年の課題に持ち越されることになりました。(ハードウェアが完成したのが展示の数日前だったため、ジャイロ制御プログラムが間に合いませんでした。)

f:id:inrabbit:20190817222601j:plain

新作のグラップル

 グラップルが掴む対象のイノシシのぬいぐるみは、実は最初から計画して用意されていたものではなく、メンバーの一人が職場で買ってきたものです。

 本来はグラップルの回転姿勢制御機能を有効に活用するためには、細長いものの方が望ましいのです。そのために、当初の予定では、発泡スチロールブロックを買ってきて、それを「令和」の字に沿って並べるという「令和ゲーム」を計画していました。しかしながら、クレーンゲームにはぬいぐるみがふさわしいという理由と、ぬいぐるみがかわいいという理由と、回転制御まで入れると多くのお子さんには操作が難しすぎるという理由で、このぬいぐるみを掴むゲームに変更になってしまいました。

 動作している動画を以下にアップします。

www.youtube.com

 

トラブル発生

 MakerFaireに出展して初めてトラブルが発生してしまい、1日目の展示を数時間中断することになってしまいました。

 事の発端は、糸が切れてしまったことです。巻き込み過ぎて糸が切れてしまい、糸を張りなおすことになってしまいました。それがよりによって一番大変な、糸が何重巻きにもなっている部分だったので、巻きなおすのにかなり時間がかかってしまいました。

 糸が修理されたと思った次の瞬間、新たなトラブルが発生してしまい、旋回ができなくなってしまいました。よりによってクレーンの台座部分の一番アクセスしにくい部分です。

f:id:inrabbit:20190817225701j:plain

修理中の様子

 アームを下ろしてネジを外し、本体部分をひっくり返して見てみると、なんと原因は旋回部分のモーターのギアのネジが単に緩んでしまったというものでした。数年前に組み上げてから触っていなかった部分が偶然今のタイミングで問題を起こしてしまいました。

f:id:inrabbit:20190817225741j:plain

緩んでいた旋回用のギアねじ

 

1日目は多くの方に来ていただきました。2日目の記事に続きます!

f:id:inrabbit:20190817230003j:plain