Maker Faire 2018 出展報告(その1)
2018年8月4日~5日に開催されたMaker Faire Tokyo 2018に出展してきましたので、そのご報告です。
全景
去年に引き続きクレーン模型の展示です。今年はブームブースター機を展示する予定でしたが、間に合わずに別機体に変更しました。展示物の高さでは、会場の周辺で一番高かったです。 アーム部分は真鍮の材料の色そのままだと背景と溶け込んでしまいますが、今年は赤と白で塗装済みのものにしましたので目立ちやすかったです。
今年はクレーンが巨大なので、場所は机2つ分確保しました。端にある操作卓から操作できるようになっています。
準備
以下は当日9時半頃の様子です。今回はメンバー2名が徹夜してしまいました。徹夜明けでかなりつらそうな様子です。
クレーン
今回のクレーン模型のクローズアップです。
模型作成者は、個人的にこの角度からの眺めが一番好きだそうです。本体部分は作りかけのブームブースター機となっています。
周囲にある基盤のようなものは、切り出した真鍮の材料を半田付けする際に固定しておくための冶具です。
後ろに積んでいる重りも作成しています。
モータードライバ
今回は、モータードライバのシステムを全面的に更新しました。この小さなサイズに8チャネルのモータードライバが組み込まれています。また、ロータリーエンコーダを繋ぐことができ、モーターのフィードバック制御が可能となりました。つまり、PWM値を直接指令するだけではなく、速度の値を指定する制御ができるようになりました。
モーターは巻き上げ機のドラム内部に組み込まれているので表面からは見えません。この構造はまた別の機会に詳細を紹介します。
操作卓
今回は、操作卓も全面的に更新しました。
まるで既製品のような立派な出来栄えですが、これらは全て今年から参加した新メンバーによる手作りです。操作性をとことん追求して設計されました。端部の滑らかな曲げ加工に注目です。プッシュボタンやスイッチ類は、後述するグラップルの電磁石のON/OFFや、プレイヤー名の登録やスタートストップなどです。ジョイスティックの先端にあるボタンはグラップルの回転方向の姿勢制御を、中央の7セグLEDはその強さを指定するようになっています。
手前に立っているタワーのようなものには、赤外線LEDが多数接続されています。これは、後述するグラップルに指令を送るために用いられます。無線通信は、過去に無線LANを使って会場で苦労した経験があったので、今回は赤外線通信を利用しました。
グラップル
今回から新たに導入されたのが、このグラップルです。オブジェクトを電磁石で吸着して吊り上げるための装置です。この装置は実物の大きさや構造に全く似せてはおらず、吸着と姿勢制御の機能を実現するためだけの構造です。そもそも実際のクレーンでは、電磁石による吸着ではなくてフックをかけたり、掴んだりします。
以下が拡大写真です。一番上段がマイコン&モータードライバ基盤、2段目は電源と赤外線の受信モジュールが各方向に取り付けられています。その下に取り付けられているマブチ340モーターは、方向を姿勢制御させるためのリアクションホイールを構成しています。リアクションホイールは、モーターで重りを回転させているだけのものですが、その反動力で装置全体の向きをコントロールできます。重りは「タミヤ 楽しい工作シリーズ No.217 はずみ車動力車工作セット 70217」のものを加工して利用しました。実際にもクレーンの現場にて、このような姿勢制御の仕組みはあるらしいですが、その場合にはリアクションホイールではなくてコントロールモーメントジャイロが用いられているようです。電池の下側にはスチール缶の吸着用の電磁石が取り付けられています。
後半は(その2)に続きます。